血圧計の種類別による点検方法の確認
病院以外でも自宅で血圧測定ができるようになり、健康管理に対する意識が高まっています。値段が一般的に出回る様な低価格になった事で、病院だけでなく個人での活用も広まっております。精密な医療機器でもある血圧計の点検方法について紹介していきましょう。
血圧計の仕組みと役割
心臓がポンプとしての役割によって血液を送り出す場合において、動脈にかかる圧力を測定する事で、体の異変や健康状態を知るきっかけとなります。血圧の数値は、1日において時間によっても異なりますし、寝不足や運動後の場合も影響を受けます。正確な血圧測定を行うには、決まった時刻と、安定した心身の状態を保つ必要があります。
正確な数値を測定できる状態には、血圧計の点検や管理ができている事で精密な医療測定装置としての役割を正しく実行する事が可能になるのです。
血圧計の種類による点検の仕方
医療における測定装置を正しく扱う為には、保守点検を行う事が測定値の正しい情報を得る事につながります。
血圧計の種類としては、水銀血圧計やアネロイド血圧計と自動電子血圧計の3種類なのですが、臨床の現場での水銀血圧計は、環境汚染や人体に対する影響から今後は禁止される方向になりますので残り2点の点検方法について紹介しましょう。
アネロイド血圧計の点検
圧迫した動脈の血液が流れ出す時のトントンと言う音は「コロトコフ音」と呼び、その音の聞こえ始めと終わりの測定値を聴診器によって調べる方法です。
1.アネロイド血圧計の使用前と使用後のカフは、中にあるゴム袋の中の圧を抜いた状態でのメーター部分の指針がゼロになっている事を確認しましょう。
2.上腕に巻き付けるカフの空気を送り込むゴム管の連結部位から、空気がもれていないか目視や音、手に触れた感覚などで確認しましょう。
3.送気球の使用前の点検として、空気がゴム袋に対し送気と排気が正しくできているか確認しましょう。
4.カフ=マンシェットが正しく装着できるか、カフ全体に破損やほころびがないか点検しましょう。
自動電子血圧計の点検
オシロメトリック法による血管壁に生じる振動となる脈波を調べる事で、カフ自体が圧力センサーの機能を果たす比較的に誤差の少ない自動による測定装置です。
1.原動力となる電池やバッテリー残量を確認して使用にあたります。
2.送気や排気をする場合に、機械の不具合を示す異常な音や使用時の状態に異変がないか調べます。
3.普段の測定値や定期的な計測と比較して大きかったり小さかったりする測定値が出る場合に不具合を疑い、アネロイド血圧計などで測定し、再確認しましょう。
4.場合によっては、極端な低血圧や不整脈の測定を正しく測定できない可能性もあるので、機械だけに依存しないで利用する人の状態を確認する必要があります。
共通の点検管理
1.水のかからない場所で管理します。
2.空気による悪影響を避ける為に、気圧や湿度、日光や風通し、ほこりや塩分とイオウ分などに影響を受けない場所で保存します。
3.振動や衝撃と傾斜による保存は、機械に影響を与える恐れがあります。
4.化学薬品やガスなどに触れる場所では、使用も保管も禁じています。
5.血圧計の点検や保存指示を説明書に従って点検管理を行います。
6.日常の点検とメーカーによる指定された定期点検を遵守しましょう。
まとめ
血圧計は使用頻度の高い医療機器です。病院でも個人使用の場合でも、1日に何度も使用するので、消耗する割合も増してきます。日常での点検を適正に行う事で、血圧計を正しく扱う事につながり、利用者の安心にもつながりますので、必ず実施する事をお勧めします。