血圧計の種類別による測定方式と正しい扱い

診断用機器

血圧計の測定方式には違いがある事をご存知でしょうか。病院や介護施設に通う方ならば、漠然と理解している事でしょう。健康意識が高まる世の中で、血圧測定は最も身近な健康のチェック方法と言えます。血圧計の種類別による測定方式と正しい扱いについて紹介しましょう。

血圧測定2種類の方式

血圧測定を行う方法としては、大まかに分類すると「聴診法によるコロトコフ法」と「自動血圧計によるオシロメトリック法」があります。それぞれの違いを確認しましょう。

1.「聴診法によるコロトコフ法」
分かりやすく言えば聴診器を使って、血管の流れる音の違いで判別する方式です。原理としては、腕に巻き付けるカフ又はマンシェットと呼ばれる腕帯を上腕に巻き付けて、ゴム袋による動脈の圧迫を行ってから、圧迫を緩めた時に流れ出す血流の音の違いで、流れ始めた際の音を「最高血圧」とし、血管音が消えた時を「最低血圧」として聴診器で聞き取る判別方式です。

2.「自動血圧計によるオシロメトリック法」
同じようにカフによる圧迫を使用しますが、カフの役割は動脈の音の判別方法ではなく、センサーの役割を行い、カフを減圧する過程で、血管が振動する状態を脈波として測定する事ができます。その過程で脈波が急に大きく振動を起こす状態を収縮期血圧である「最高血圧」として、変化がなくなった状態の時を、拡張期血圧として「最低血圧」で測定しています。

腕帯の巻き方や位置について、正しい姿勢や安定した身体の状態で測定する必要があります。病院などでは、看護師の扱う主流は「聴診方式」なのですが、最近では、誤差の少ない性能の良さや、家庭にも普及できるほどの価格帯によって「自動血圧計」が一般家庭用に広く利用されています。

血圧測定の正しい取り扱い

血圧測定は必ずしも同じ数値を示すわけではありません。高血圧はサイレントキラーとも呼ばれており、個々の状態や身体的な要素が関係しているので、毎日測定する事や1日に2回以上の決まった時間で測定する事で、血圧の正しい測定値を計測できるようになります。

◎朝晩2回の測定が必要です
個人の朝と晩では、血圧の状態が変化する場合が認められる為、1日2回の測定を行います。朝食の前や就寝前が良いでしょう。

◎安静な状態でリラックスする事
運動時と安静時では血圧にも影響を及ぼしますので、安静な状態で使用します。

◎腕帯の位置は心臓の高さに合わせる事
血管内の血圧でも静水力学的圧力に関係しており、水槽の深度によって圧力が異なる原理が成立します。座位の場合はマンシェットを巻いた上腕の位置が心臓とほぼ同じになるよう調節します。

◎排尿後
排尿する前は血圧が高く、排尿後は下がる性質があります。

◎1度の計測で2回は必要
2回計測しても同じとは限らないので、その平均値を参考にします。

◎右腕の方が正確
心臓からの大動脈から出ている血管は右腕につながっている為です。

まとめ

血圧測定は、心筋梗塞や脳梗塞につながる高血圧の異常を早めに察知する事ができます。正しい測定を行う事で種類の異なる方式にも対応する事が可能になります。測定値に異常がない場合でも、普段と異なる症状がある場合には、早めに医師の診断を実施する事です。

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