注意! MRI検査の際のヘアピンなどの外し忘れ

診断用機器

MRI検査装置は、患者の身体への影響を最小限に出来る検査機器と言えるので、医療の現場で幅広く普及しています。しかしながら、MRI検査には注意しなくてはならない点もあります。それは、”金属に反応する”という点です。今回はMRI検査とヘアピンなどの金属製品について解説します。

MRIとは?

MRIは、磁気共鳴画像法(Magnetic Resonance Imaging)の略称ですが、現在では医療関係者だけでなく、一般的に広く使われている呼称となっています。

人の身体には、多量の水分が含まれており、その中の水素原子の位置を強力な磁力と電波を使って解析する事で、患者に負担を掛ける事なく、縦・横・斜めと言った様々な角度から身体の断面の繊細な画像が得られる為、体内の様子を詳細に知る事が可能です。

MRIは従来広く使われていたレントゲン写真撮影と異なり、放射線被ばくの無い、画期的な検査装置です。患者への負担も少なく、精密な画像が得られる為、多くの医療機関で使用されています。しかし、このMRI、使用する上で注意点もあります。

MRI検査における注意事項

MRI検査を実施する際は、患者に対しては必ず「身に着けている金属製品を全て外して下さい。」とお願いする事になっています。理由はなぜでしょうか?順番に見ていきましょう。

理由1.火傷の危険性

金属製品を身に着けたままMRI検査を受けると、その金属製品が熱を持ち、火傷を負う危険性があります。

理由2.怪我をする危険性

MRI装置は強力な磁場を形成します。その磁力によって、身に着けている金属製品が引っ張られ、あるいは跳ね返る事で、怪我をしてしまう危険性があります。MRI装置の磁場は非常に強力なので、大きな怪我につながる危険性があります。

理由3.MRI装置が故障する可能性

MRI装置の生じる磁場に引っ張られた金属製品がMRI装置に入り込み、故障して正常な検査が行えなくなる可能性があります。場合によっては装置を分解する必要が生じます。

仮にヘアピンを着けたまま検査を受けるとどうなるのか?

ヘアピンを着けたままMRI検査を行うと、前述の危険性の他に、そのヘアピンを着けている周囲の部分は画像として撮影する事が出来なくなるという現象が起きます。仮にその部位に何らかの異常があったとしたら、異常を見落としてしまう事にもなりかねません。

ヘアピンの他にも、普段身に着けている製品(眼鏡・イヤリング・ピアス・指輪・入れ歯・エレキバン・カイロ類・コンタクトレンズなど)は、正常な検査の妨げになりますので、検査室に入る前に忘れずに外しておきましょう。

MRI検査中の異音の原因

MRI検査を受ける際に、ビービーやカンカンと言った大きな音が発生する原因は、MRI装置内部で磁場を発生させる装置が切り替わる為です。原理はスピーカーと同じで、磁石の中のコイルと呼ばれる部品に電流を流す事で磁力が生じ、コイルが振動します。

これが大きな音となって患者に聞こえますが、機械の故障ではありませんのでご安心下さい。医療機関によっては、不安軽減の為、MRI検査中に音楽を患者に聞かせる場合もある様です。

まとめ

今回はMRI装置の仕組みと、ヘアピンなどの金属製品を身に着けたままで検査を受けてしまった場合の危険性についてお伝えしました。MRIについて正しい知識を身に着け、安全に配慮して検査を行いましょう。

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