CT装置は使用する環境で耐用年数は異なる
CT装置は病院に配備される医療機器の中でも、とくに高額な部類に入ると言えるでしょう。会計上の観点では、減価償却が適切になされることにより、適正な課税額が確定することになります。そういった部分にも関わってくるCT装置の耐用年数についてご紹介いたします。
CT装置の耐用年数
CT装置とは、観測物に対して3次元に位置を変えながらX線を照射することにより、物体内部の状態を立体的に調べる機械です。
CT装置の耐用年数は6年となっており、これは国税庁が制定した耐用年数表から判別することにより導き出すことができます。
耐用年数とは、その資産を購入して以降の減価償却できる年数を意味しています。減価償却とは、長期間使用する固定資産について、時間の経過に沿って費用として計上することを指します。
つまり、CT装置を購入した場合、会計上その支出について以後6年間、6分割して計上できるというわけです。これらは、医療機関の経営決算や課税に関連してくる部分となります。
医療機器の耐用年数は基本的に、機器の種類別で一律に定められているわけではありません。機器が有する機能や特徴によって適用される耐用年数が異なります。同じCT装置というカテゴリ内にあるとしても、使用状況によって耐用年数が変わってくるわけです。
CT装置は耐用年数表上の細目において「レントゲンその他の電子装置を使用する機器」に該当します。その分類では一般的に耐用年数6年です。しかし例外的に「移動式のもの、救急医療用のものおよび自動血液分析器」に相当するケースでは耐用年数4年となります。
仮に、例外的に示されているような機能や特徴を兼ね備えたCT装置である場合には、通常のタイプとは耐用年数が異なり4年となるでしょう。
耐用年数と耐用期間
耐用年数とは、会計上の減価償却に則った指標であり、医療機器の使用可能期間を意味するものではありません。
使用可能期間に関しては、機器のメーカーによって定められた耐用期間という指標で判断することになります。
耐用期間は、医療機器が標準的な使用方法で使われ、定期点検や保守点検などメンテナンスが適切になされている状況下において、安全に使用できる期間を指します。
耐用年数と耐用期間は、それぞれ異なる観点に基づく指標であるため、混同して意味を認識してしまわないよう注意が必要です。
通常の減価償却と医療機器の特別償却とは
耐用年数で取り扱われる減価償却では、定額法か定率法が用いられます。
定額法は、購入価格を耐用年数で割った金額を毎年一定に償却する方法です。
もう一方の定率法は、初年度に費用を大きな金額で計上し、その後は毎年一定の償却率をかけて段階的に減少させていく方法となります。
〇医療用機器の特別償却
医療用の機器は高額購入であるため、減価償却を行う際は一度に全額を費用とすることはできません。しかし、病院で機器の新規購入や買い替えなどを行いやすくするため、医療機器の購入に際して、初年度に大きく償却することを可能とする特例が設けられています。
それが【医療機器の特別償却】です。特別償却で経費として認められる償却費は、医療用機器の購入額×12%です。
この特別償却するには、対象となる資産および病院の経営形態について条件があります。それらは以下の通りとなります。
▽資産に関する条件
1.購入額が、500万円以上の高額機器であること。
2.高度な医療の提供に適するもので、厚生大臣が指定していること。
3.購入機器が新品であること。
4.医薬品医療機器法の指定を受けて2年以上であること。
▽経営に関する条件
1.医療保険業を営んでいること。
2.青色申告の法人あるいは個人であること。
まとめ
上記、CT装置の耐用年数、主に医療機器の資産としての耐用年数について述べてきました。また、高額な医療用機器には特別償却という制度があることについてもご紹介しました。
医療機器の耐用年数は会計上の指標であることを認識し、使用可能期間に関連する耐用期間とは分けて考え、有効となる制度を活用していくことが肝要です。