CTの点検項目!何がある?

CTは人体の状況を撮影して診断や所見を下すために必要な医療機器ですが、CTを安全かつ有効に使用するためには医療機関の適切な点検と正しい使い方が重要です。また、日々の点検が不可欠ですがどのような項目を点検するのでしょうか。今回、CTの点検項目を主に解説しましょう。
CTの構造
この機器の大まかな構造について述べましょう。構造としては、大きな輪の架台でガントリと呼ばれる部分、次に患者さんが横たわる寝台のクレードル、最後に操作するコンピュータでコンソールという部分により構成されています。
クレードルに患者が横たわり、ガントリ内部のX線管や検出器が回転します。その輪型の中でクレードルのスライドにて位置替えしながら、X線による連続撮影が行われます。それによって得られた撮影データについてコンソール部分で画像解析され、身体の状態や病変の状況がコンピュータグラフィック上に映し出されるわけです。
点検項目
装置使用の大前提は、機器が正常に作動することです。そのため日々の点検があります。装置の点検項目については次のようになります。
医療機器の安全管理と運用上の留意点[平成30年6月改正]の方針は、適切な保守点検と正しい使用が大切であり、医療法において管理者に対し医療機器に係る安全管理システムを確保することを求めています。
〇点検項目についての整理
改正後の指針は、従来のガイドライン・各社製品の取扱い説明書や添付文書の保守点検などの項に載せられている点検項目を整理しました。
〇点検箇所
(1)検査室・治療室・設備等
(2)装置本体
(3)関連装置他
〇点検目的
(1)各種の関連する装置の動きなどや、画質・治療精度、関連装置の動作など、適格に検査を行うための項目
(2)治療室・検査室内の環境を整える、使用品やリネンの準備などの項目
(3)患者に触れる部分の動作や破損の有無などや、安全に検査を実施するための項目
項目の例示[※一部]
(1)検査室内 温度・湿度が装置の使用条件を満たしていること。検査室内が清掃・整頓されて、荒らされた形跡がないこと。その他
(2)患者インターホン、緊急コールシステムなど、緊急時伝達機器が正確に作動すること。
(3)造影剤などの医療材料が補充されていること。医療ガス設備[酸素や吸引]が正常に機能すること。
CT装置の点検[※一部]
(1)ガントリ・寝台
ガントリチルトが正常に作動すること。ガントリやクレードルに破損や汚れ、ピンなどの異物がないこと、またその他。
(2)コンソール
表示灯が正常に点灯し、警告や異常を知らせる表示されていないこと。ハードディスクの残容量が充分であること。異常音や異臭などがないこと。システム電源ON後、コンソールが動作すること。システムの時計の時刻に誤差がないことなど、その他。
X線管のウォームアップが問題なく終わることなど、その他。
その他にも、ポインタの点灯や画質のチェック、警告ラベルがはがれていないことなどの項目があります。
まとめ
最新医療機器でもあるCT装置。早い診断や早期治療の開始のため必要不可欠で重要な装置です。その機能を確実に活かすにはまず、機器が正常に作動することが最低限踏まえておくべき条件と言えるでしょう。そのためには、日々の点検が必然的に求められることになります。安全な管理下で使用されることを願います。