MRI対応ペースメーカーの検査条件と注意点
従来心臓にペースメーカーを入れている人は、その性質上MRIによる検査を受けることができませんでした。しかしMRIに対応したペースメーカーも登場しています。今回は条件つきMRI対応ペースメーカーの検査の注意点について解説いたします。
条件つきMRI対応ペースメーカーの登場
MRI(Magnetic Resonance Imaging)は、その名前の通り磁気の原理を利用する医療機器です。そのため、機械であるペースメーカーは誤作動を起こす危険性があり、従来これの植え込みを行った人は、MRIを使用する検査を受けることができませんでした。
しかし技術の発達により、条件つきでMRI検査を受けることのできるペースメーカーが誕生したのです。このタイプを植え込んでいる人なら検査を受けることも可能ですが、前述のようにいくつかの条件や、さらには検査の際の注意点などもあるのです。
新型ペースメーカーの特徴
ペースメーカーは電気的な刺激により、心臓を正常に拍動させる植え込み方の医療機器です。その構造を簡単に説明すると、鎖骨の下部にある本体と、そこから心臓へつながるリードの部分で構成されます。
従来のペースメーカーの場合、MRI特有の磁気の発生によって、誤作動を起こしてしまったり、リード部が加熱してしまう恐れがありました。しかし新型の場合、磁気の影響を受けにくい材質を使用するなど改良され、検査を受けることも可能になったのです。
検査を受けるための条件
対応型ペースメーカーの植え込みを行った人がMRI検査を受けるための条件は、以下の通りです。
・植え込んでいるペースメーカーやリードなどすべての機器が条件つきMRI対応であること
・条件つきMRI対応型ペースメーカーを植え込んでから最低でも6週間が経過していること
・対象となるMRIの装置の条件を満たしていること
・側臥位では検査を行わないこと
この4つの他、以下に該当する場合、検査を受けることはできません。
・条件つきMRI対応型ペースメーカーであっても、左右の胸部以外の部位に植え込まれているとき
・MRIに対応していない他の機器が体内に存在する場合
以上の条件を満たしていたとしても、最終的な判断は循環器科の医師が下すことになります。
条件つきMRI対応カードの確認
対応型ペースメーカーの植え込み手術を終えると、患者は医師から「条件つきMRI対応ペースメーカーカード」という証明書が発行されます。これがないとMRIを受けることはできませんので、検査の際には必ず確認するようにしましょう。
また、患者にとってもこれがないと検査を受けることができなくなりますから、当日に決して忘れることのないよう、ペースメーカー手帳と一緒に所持しておくことをすすめるようにするのがベストです。
まとめ
対応型MRIペースメーカーを植え込んだ人が検査を受けるための条件や注意点について解説いたしました。万が一の事が起こらないよう、必要な確認は絶対に怠らず、実際の検査に臨むよう心がけてください。