CTの装置とX線の関係について
医療機器として知られているCTですが、その仕組みはX線と呼ばれる放射線の性質を利用するものになっています。今回はCTがX線を使って体内を画像化する仕組みについて解説いたします。実際の検査を受ける際の注意点なども、同様に説明していきたいと思います。
CTとは?
「Computed Tomography」の略語で、体内の様子を透過して撮影する医療技術の一つです。たとえば癌や腫瘍などがないか調べることができ、現代の医療には欠かすことのできない機器であると言うことができます。
似たやり方にMRIがありますが、こちらは磁気の効果を利用するため、ペースメーカーを埋め込んでいる患者は、基本的に受けることができないデメリットがあります。しかし、CTは放射線を利用するので被ばくの心配をなさる方もいますが、MRIはその心配がありません。
CTの構造と検査の流れ
実際のCTは、大きく3つのパーツから構成されます。患者を寝かせて乗せる「寝台」、測定を行う輪状の「ガントリ」、そして機器の操作をする「操作コンソール」です。操作は有資格者である放射線技師、もしくは医師でなければ行うことができません。
検査の流れとしては、患者を寝台へ寝かせ、コンソールによって操作し、ガントリの中で計測するというものになっています。10~15分程度で終了しますが、調べる部位によっては息を止めてもらう必要があり、また造影剤を使用する場合もあります。
X線とは?
歴史的にはドイツの科学者レントゲンが発見した放射線の一種であり、体内を透過する性質を持つことから、CT撮影の技術に応用されています。放射線というと気になるのは被ばく線量ですが、CTの放射線量は人間が日常的に浴びる線量の数値よりも低いのです。
ガントリが輪状になっているのは、360°の撮影を可能にするためであり、この中でX線を照射する装置が回転する仕組みになっています。同時にそのデータを採取し、目視で確認できる映像としてアウトプットすることができます。
CT検査時の注意点
妊娠している人や、妊娠している可能性がある人は、胎児への影響を考え、必ず医師への報告・相談が必要です。また個人差はありますが、造影剤による副作用も可能性として存在するので、過去に、経験のある人は同様に医師へ相談しましょう。
喘息やアレルギーがある場合、糖尿病の薬を飲んでいる、または腎臓の機能に不全を抱えている人なども、必ず医師へ報告するようにしましょう。最終的な決断を下すのは医師になるので、コミュニケーションを取っていくことが大切です。
まとめ
CT装置とX線の関係から、検査の注意点までを解説いたしました。もしものことが起こってはたいへんなので、医師とのコミュニケーションはしっかり取り、安全に検査を行うようにしましょう。