CT装置の日常点検項目と点検の重要性

診断用機器

CT装置の日常点検はなぜ必要なのでしょうか。点検すべき項目をわかりやすくご紹介します。CT装置の仕組みや役割についても併せて見ていき、日常点検の重要性を理解しましょう。正しい知識を身に着け、正確で安全な検査を行いましょう。

CT装置の仕組みと役割

CT装置は、患者さんが横になる台(クレードル)・ドーナツ状の架台(ガントリ)・コンピュータ(コンソール)からできています。コンソールは、装置の操作と画像解析処理を行います。
身体のさまざまな部位の断面画像や、立体画像を作る装置となっています。

360度回転しながら身体にX線を照らし、身体の情報を集めます。集めた情報をコンピュータが解析し、正確で鮮明な画像を作ることができます。CT装置は全身に使用できるため、あらゆる病気を見つけることができます。

肺炎・肺がん・尿路結石などレントゲンでは検査が難しい病気を発見しやすく、小さな腫瘍なども鮮明に映し出されます。病気の早期発見につながる重要な装置です。

CT装置の日常点検が必要な理由

CT装置ではX線を使用しているため、人体が放射線にさらされる可能性が心配されています。日ごろから点検をしておくと装置の故障を見つけやすく、検査における安全面を配慮できます。CT装置を長く使用するためにも点検は必要不可欠です。

CT装置のあるほとんどの医療機関では、毎日始業点検と終業点検が行われています。正確で安全な検査を行うために、適切な保守点検と装置の正しい使用が大切です。

CT装置の点検項目

CT装置の主な点検項目を紹介します。

●ガントリや患者さんが横になる台(クレードル)に破損・汚れ・針など小さな金属製の異物がないか確認する
●造影剤や血液が付着していないか確認する
●システムの電源を入れて、画像解析処理などを行うコンピュータ(コンソール)が正常に操作できるか確認する
●システムの時計の時刻が正しいか確認する
●検査時に患者さんをきちんと固定できるよう、固定用具に不備がないか確認する
●ガントリチルト(角度設定)が正常に動くか確認する
●クレードルが上下や水平にきちんと動くか確認する
●ライトの点灯が、患者さんの位置によって合わせられるか確認する
●各装置の表示ランプがきちんと点灯されるか確認する
●各装置にエラー表示が出ていないか、異常な音や異臭がないか確認する
●患者さんを保護するタッチセンサーが正常に機能しているか確認する
●ハードディスクなどの容量が十分にあるか確認する
●医療用の人体モデルを使用して実際にスキャンし、画像が正常か確認する
●X線管のウォームアップ動作がきちんと終了できるか確認する

日常点検では、装置本体の点検だけでなく検査室や治療室の環境・関連装置の動作なども併せて確認しましょう。

まとめ

今回は、CT装置の日常点検についてご紹介しました。CT検査は、見つけにくい病気を早期発見できる重要な検査です。正確で安全な検査を行うために、日ごろから装置の点検をこまめに行いましょう。

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