CT装置の購入価格について

現代の医療状況において、大きなメリットを見出していると言っても過言ではないCT装置。病院など医療機関において、それを導入することはさらなる医療向上に寄与するものと言えるでしょう。CT装置を購入する際にはどのくらいの価格となるのでしょうか。見ていきたいと思います。

CT装置の基礎的概要

人体内部を輪切り状の断面図あるいは立体画像で映し出し、体内の状態を精査することを可能とする医療用CT装置。その機能にはX線の原理が用いられています。

X線とは電磁波の一種であり、同じく電磁波に属する自然光より周波数が極めて高い部類に属します。電磁波は周波数の高さに比例してそのエネルギーも高くなり、物体を貫通して直進する性質を持ちます。

X線の場合では、貫通する物体に含有される物質の違いよって透過率が異なってきます。その透過率の差を利用することで、物体内部の様子を知ることができるわけです。

CT装置は、物体を貫通した後のX線をデータとして検出し、それをコンピューター処理によって画像化する仕組みとなっています。医療分野ではそれを、人体内部の状態を画像化しより精密な診断に役立てるべく活用されているわけです。

医療用のCT装置は、大きく分けて3つの部分で構成されています。それは、X線の放射と検出を行う円筒型のガントリ、検査を受ける患者さんを横臥した状態で上部に乗せるクレードル、データのグラフィック化と装置の操作を行うコンソールの3つです。

検査は、クレードル上の患者さんをガントリの開口部へスライド移動させた後に実施されます。ガントリ内部には、X線を放出する管球と、透過後のX線をデータとして捉える検出器が、中央の開口部を間に挟んで向かい合うように配置されています。管球から照射されるX線が、開口部に位置する患者さんの身体を透過した後、検出器に入るという構造となっているわけです。

X線管球と検出器が患者さんの身体を間に置いて向かい合った状態で、X線の送受を行いつつガントリの円周に沿って最速で1回転0.2秒もの高速で回転します。それによって患者さんの身体に周囲360°の全方向からX線撮影が行われるわけです。加えて、クレードルによるスライド動作も連動して360°方向によるX線照射の位置替えがなされ、立体的なX線撮影が実施されることとなります。

これら3次元的な方向からデータを取ることにより、CG上で立体的な体内画像が再現されるわけです。

CT装置の主な価格

前項のような原理・構造からなる医療用CT装置は、高額医療機器に相当します。病院の開業に併せて導入する場合、資金内訳中大きな割合を占めることとなるでしょう。新品のみならず中古品も販売されていますが、いずれも医療機器の中では高額の部類に入ると言えます。

CT装置価格の相場としては、新品でおおよそ2000万円以上からとなっており、高性能かつ新機能を備えた新型では億単位の金額に上ります。中古品に関しては、700万円台からの価格設定となっています。

実際の価格に関しては、おおむね販売企業への問い合わせを経て最終的な金額が決定されるというケースが主な流れとなるため、あくまでも目安として考慮すべきと言えるでしょう。

まとめ

以上のように、現代医療の大きな支えとも言えるCT装置について、原理や構造などの基本を踏まえつつ、その価格について確認してまいりました。中古品を含めて検討した場合、導入への費用は安価な部類で1000万円近くを要し、最新式に至っては数億円単位を費やすものと言えます。