医療業界でも「ブランド力」が重要とされる理由とは

昔は、医療機関で「ブランド」を意識するようなことはありませんでした。患者は、身近にある病院にやってくるのであり、いくつもの病院を比較検討して選択したわけではありません。

医者は、その町の数少ないエリートの一人、あるいは唯一のエリートであり、誰からも尊敬されていました。人々は病院の正式名称を知る必要はなく、治療や手術のために、ただ「病院」に行きました。

しかし現代の医療市場には厳しい競争があります。

優れたサービスや最新技術も、病院の「ブランド」力がなければ、見過ごされてしまいます。

ブランドの認知度と信頼性が向上すればするほど、その病院の評価は上がります。

医療業界で求められる「ブランド力」とは

医療業界で求められる「ブランド力」を考えるとき、マーケティング・広告・広報とブランディングを混同するべきではないといえます。

マーケティング・広告・広報はブランドを伝える手段であるため、これらを活用するためにはまずブランドを構築することが必要です。

ブランドとは、個性・価値観など認識できるアイデンティティであり、ビジネス的な資産ともいえます。

競合他社との差別化につなげることもできる部分であるため、競争が激化する医療業界でもブランド力が求められるようになったといえるでしょう。

ブランド力を向上させる要素

ブランド力を向上させるためには、次の要素を強化することが必要です。

・記憶に残ること

・魅惑的であること

・結びつき感を持つことができること

・好感が持てること

強いブランドで将来計画も立てやすくなり、医療従事者と非医療従事者との間の連帯感強化にもつながり、互いにサポートし合いやすくなることでしょう。

ブランド力強化のメリット

ブランド力を強化することで自信と信頼を培うことができ、業界でも優位性が得ることが可能となります。

ブランドを築き上げて守り抜く努力も必要ですが、それにより医療業界での財務基盤を頑強なものにすることができ、次のような部分で効果が期待できると考えられます。

・信頼が上がる

・説得力を生む

・財政リスクを緩和する

信頼が上がる

ブランド力強化によって、患者や入職者から選択されやすくなります。

説得力を生む

ブランド力強化によって、患者に対する説得力を持つことができます。

財政リスクを緩和する

ブランド力強化によって、財政リスクを緩和することもできます。

税金政策は常時変更されているため、医療改革も不確実性を伴います。

コストを削減する必要性も大きく、資金調達の不確実さに対処することが求められます。

その点、強いブランドにより信頼感と企業価値向上が可能となり、財政面でのリスクを緩和することにつながるでしょう。