DNAとは?検査する目的や遺伝子との違いを簡単に紹介

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DNAとは、遺伝情報の物質的な実態です。

細胞内の核に含まれており、ヒトの細胞では核の中の染色体に存在します。

はしごをひねったような形状で、核の中の染色体内に折りたたまれて入っている体を作る設計図と言える存在です。

遺伝子とは、人間の体をつくる設計図に相当するものですが、DNAとの違いは何でしょう。

そこで、DNAについて、検査する目的や遺伝子との違いを簡単に紹介します。

 

DNAとは

「DNA」とは、遺伝情報の物質的な実体のことであり、細胞内の核に含まれている巨大な繊維状の分子です。

デオキシリボ核酸は英語で「deoxyribonucleic acid」と表記しますが、この略称といえます。

生体内では直径2ナノメートルの二重らせん構造で、さらに細かくみると以下の3つの部分に分けることができます。

・塩基

・糖(デオキシリボース)

・リン酸

生物に使われる塩基は、次の4種類です。

・アデニン(A)

・チミン(T)

・グアニン(G)

・シトシン(C)

4つの塩基の並びである塩基配列が遺伝情報を特徴づけます。

DNAからは色々な情報が伝達されますが、疾病発見に用いられるのが遺伝子検査です。

 

遺伝子とは

「遺伝子」とは、DNAの中で細胞の種類に応じて機能する特定のタンパク質の設計情報の記録領域で、人の体をつくる設計図に相当するものです。

人のからには3万個の遺伝子があると考えられており、細胞という基本単位でなっています。

細胞の核に染色体があり、染色体のDNAが「遺伝子」として働き、その指令に基づいて維持されます。

 

DNAと遺伝子の違い

DNAと遺伝子の違いは、DNAは物質そのもののことであるのに対し、遺伝子はDNAに記載される情報です。

DNA(デオキシリボ核酸)は、先に説明したとおり、A(アデニン)・T(チミン)・G(グアニン)・C(シトシン)の4つの塩基で構成されます。

細胞内では2本のDNAが向き合い、らせんを描くような形状となっていて、塩基の並びである塩基配列が記載する情報が遺伝子です。

遺伝子は生体の材料になるタンパク質の構造を決め、使用量やタイミングを調節する体の設計図であり、遺伝情報でもあります。

DNAの塩基配列に遺伝子情報が載っているのではなく、使用されていない部分や判明していない部分もあるなど、未知の領域といえます。

DNAを書類にたとえた場合、塩基配列は文字の並ぶ暗号文です。

暗号文に重要な意味の文章といえる遺伝子が隠れていて、意味のない文字の並びや解明されていない暗号も含まれるなど、解読に向けた研究が続けられていると考えられるでしょう。

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