動物病院のmri検査について
mri検査は現在の医療においてなくてはならない検査手段となりましたが、ペット業界においても動物専用mri検査の普及が加速しています。動物疾患の多様化や平均寿命が伸びたこと(高齢の動物が増えた)により動物の医療ニーズが高まっています。mri検査は脳脊髄の病変検証に非常に有効であり、2016年末に動物専用mriが認可されてから装置を導入する動物病院も増えています。
○mri検査でわかること
mri検査では主に下記の実感検出に有効とされています。
●椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアは特に犬がかかりやすい疾病といわれています。
椎間板ヘルニアは「ハンセン1型」「ハンセン2型」があります。ハンセン1型とは椎間板の外側にあたる線維輪から内側にある髄核が脱出して神経を圧迫することが原因です。ハンセン1型は軟骨異栄養犬種と呼ばれる若年から椎間板が変性を起こしやすい犬種が発症しやすく、ダックスフンドやビーグル、シーズー、ウェルシュコーギーなどの犬種が該当します。
一方でハンセン2型は加齢に伴い線維輪が肥厚することで脊髄を圧迫して症状が現れます。ハンセン2型は老犬に多く、慢性的に進行することが特徴です。
椎間板ヘルニアの症状として、肢に麻痺が現れたり、排泄コントロールができなくなったりします。重症では歩くことが困難になるケースもあります。
肢を引きずるように歩く、散歩を嫌がる、活気がなく飛び移ったりしなくなったなどの症状が現れている場合にはmri検査をおすすめします。
●脳梗塞
人間に比べて発症は稀ですが、犬も脳梗塞を発症することがあります。症状としては肢の麻痺、斜首、眼振などの症状が現れ、重症では歩くことが困難になったり、生命に関わることもある恐ろしい疾患です。
当然、めまいや痛みも伴いますが飼い主が異変に気づかなければなりません。動物病院に受診しても画像診断ができなければ、はっきりとした診断をすることができません。自宅から通える動物病院でmriやctといった検査を行える動物病院をあらかじめ確認しておくことが重要です。
●その他
上記以外の疾患では外傷や生まれつきの脳や血管奇形、脊髄軟化症、腫瘍、脳脊髄炎、内耳炎や前庭疾患の検査でmriが用いられます。
ペットの治療や検査については当然ながら健康保険のような制度はありませんので、全額自己負担か民間のペット保険に加入することになります。民間のペット保険を適用する場合、mriやctといった画像診断は保険適用額の上限を超えてしまうことがあり、上限を超えた金額は全額年負担となるケースもあるため注意しておきましょう。