MRIの撮影時間、計算方法について
医療用の診断機器として用いられるMRI。
CTとの違いが何かわからないといった声も聞こえてきそうですが、その撮影時間の計算法について知っている人はどれくらいいるでしょうか。
今回MRIの撮影時間について簡潔に説明していきたいと思います。
【素朴な疑問~MRIとCTの違い~】
MRIを簡単に説明すると、「強い磁石と電波を利用して体の状態を断面像として表す検査法」になります。
一方のCTは「X線を利用して体の断面像を表す検査法」になります。
CTはX線を利用して撮影するため最悪の場合、被爆する可能性をはらんでいます。
一方のMRIは被爆する恐れはないものの撮影時間がCTの5倍ほどかかってしまいます。
またMRIとCTは撮影する部位によって得意・不得意がありますので、目的に応じて使い分ける必要があります。
【本題~MRIの撮影時間について~】
MRIの撮影時間はある式によって求めることができます。
MRI撮影時間=TR×n×Nex という式になります。
パッと見何のことか分からない人がほとんどだと思いますので1つずつ説明してみたいと思います。
①TRとは
TRとは90°パルスから90°パルスまでの時間とRFパルスを繰り返し送る時間のことを言います。簡単にいうと繰り返し流れるある電波が一定時間流れる時間のことです。
つまりTRが長ければ長いほどMRIの撮影時間は長くなります。
②nとは
数学でいう「行列」の列の数のことを言います。
デジカメなどで例えるなら、300×300ピクセルの場合、300画素の列が300列存在していることになります。つまりこの300列の部分をnで表していることになります。
こちらもnの数が増えれば増えるほどMRIの撮影時間は伸びます。
③Nexとは
簡単に言うと電波や磁場から送られてくる信号をキャッチする回数になります。
こちらも回数が多ければ多いほどMRI画像の質は高くなりますがその分撮影時間も長くなります。
【まとめ】
いかがでしたか?MRIの撮影時間の計算方法についてできるだけ簡単に説明してまいりました。
一般的にMRIはCTよりも撮影時間に時間がかかってしまいますが、撮影時間を短縮する
方法も実際に存在します。
今回は割愛しましたが、マルチスライス撮影法という方法になります。この方法では一度に何枚かの断面図を撮影できるとても効率的な方法です。
さらに知識を深めたい方は調べてみると良いでしょう。