レントゲンとは違う?MRI検査のメリットとデメリット

診断用機器

【はじめに】
MRI検査とは、「Magnetic Resonance Imaging」の略で、磁気共鳴画像とも呼ばれています。MRI検査は、レントゲン検査や、CT検査のようにX線(放射線)を使うことなく、その代わりに強い磁石と電波を用いることで、さまざまな角度から身体の内部の様子を断面像として画像化することができる検査です。
CTもMRIも、どちらも大きな筒状の中に寝た状態で入る検査ですが、どちらも似たような機械なので、見た目では違いが分からない人も多いと思います。
それぞれ特徴がありますので、ここではCTとMRIを比較しながら、それぞれのメリット・デメリットに着目していきたいと思います。

【CTについて】

1.CTのメリット
・撮影時間が短く、おおよそ10~15分程度
・検査中の音が小さい
・体内にボルトやペースメーカーが入っていても検査ができる

2.CTのデメリット
・病気によっては、正常組織とのコントラストをつけるため、造影剤を使わないと診断が難 しい
・骨と空気が区別される
・放射線を用いて検査する(被ばくの恐れがある)

3.CT検査で有効な部位
呼吸器(肺)・腹部の実質的な臓器(肝臓・すい臓・腎臓など)・骨

4.CT検査における有効な疾患
肺炎・肺がん・胸水・腹部の腫瘍(肝臓がん・すい臓がんなど)・尿管結石・腎臓結石・くも膜下出血・脳出血・副鼻腔炎・骨折

【MRIについて】

1.MRIのメリット
・磁気を用いる検査のため、被ばくの恐れがない・撮影時間は約30~40分・骨と空気の区別がない・造影剤を使わなくても血管の撮影ができる(とくに脳血管の精査に優れている)・横断、縦断などどのような断面でも画像を得ることができる・断面画像だけではなく、血管だけを画像化することができる・病変部と正常組織のコントラストがはっきりしていて見やすい

2.MRIのデメリット
閉所恐怖症の人には向かない・体内にボルトやペースメーカーのある人は撮影不可・機械音が大きい

3.MRI検査で有効な部位
脳血管・脊髄・関節・産婦人科系疾患・前立腺・膀胱

4.MRI検査における有効な疾患
脳梗塞・脳腫瘍・脳動脈瘤・椎間板ヘルニア・胆管・膵管・卵巣腫瘍・子宮筋腫・半月板損傷・靭帯損傷・脊髄損傷・前立腺がん

【まとめ】

ドイツの物理学者がX線を発見したのが1895年。レントゲン検査には120年以上の歴史があります。一方、MRIは1973年頃に発見された技術で、わずか45年ほどの歴史です。MRI検査ができるようになり、レントゲン検査やCT検査では分からなかった情報を得られるようになってきました。しかし、MRI検査も万能ではありません。MRI検査も、CT検査も、レントゲン検査もそれぞれメリット、デメリットがあるので、治療に必要な情報を得るためには、患者さんの病気の状態に合わせて検査方法を変更したり、各検査の併用が望ましいところです。

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