経鼻内視鏡のメリットとデメリット

診断用機器

【はじめに】
内視鏡は、専用のカメラを使って体内の病気を見つけるための医療機器です。
内視鏡にもいくつかの種類がありますが、最近では鼻からカメラを通すタイプの機器が開発され、医療現場で使われるようになりました。
今回は、経鼻内視鏡のメリットとデメリットをまとめます。

【経鼻内視鏡検査について】

経鼻内視鏡検査は、内視鏡を鼻から通し、鼻、喉、食道、胃などを検査します。
内視鏡は、柔軟性のある光ファイバーの束の先にカメラをつけた危機で、ファイバースコープとも呼ばれます。
カメラで撮影した体内の様子は、コンピューターファイリングシステムとして記録され、診断に役立てられます。

経鼻内視鏡のメリットとしては以下があります。
・患者の負担を減らせる
経鼻内視鏡検査は、口からカメラを入れる「経口内視鏡」と違い、咽頭反射がほとんどなく、検査を受ける患者側の負担を減らすことができます。
また、鎮静剤・鎮痛剤・鎮痙剤などの薬を使わず、部分的な麻酔のみですむので、患者の体にも優しいです。

・検査中の会話が可能
口がふさがれないので検査中も会話が可能というメリットもあります。

デメリットとしては・・
・鼻の違和感や鼻痛
ファイバーが鼻の中を通るので、鼻に水が入った時のようなツンとした痛みや、頭痛を感じることがあります。
こうした症状を防ぐために、検査前には鼻の麻酔をするのですが、副作用で検査後一時的に鼻水やくしゃみ、頭痛が出る場合があります。
また、前述で咽頭反射はほとんど出ないと書きましたが、経鼻内視鏡でも喉の反射が出る人も稀にいるので、その場合は咽頭麻酔をします。
・画像がやや不鮮明
経口内視鏡と比べ患者の負担は少ないのですが、カメラが細く、画像がやや不鮮明です。
この点は、現在も改良が続けられています。

【経鼻内視鏡検査の流れ】

・麻酔
鼻水を吸引し、スプレーで麻酔します。
ファイバーにも潤滑と麻酔の役割をするキシロカインゼリーをスプレーします。

・観察
ファイバースコープを鼻の中に挿入し、体内の様子を観察します。

・説明
医師が、コンピューターに記録された画像や映像を見ながら、検査結果について説明します。

【経鼻内視鏡が使えない場合】

鼻の手術を受けた患者や、鼻中隔彎曲症やアレルギー性鼻炎、慢性的な副鼻腔炎などを持つ患者の場合、鼻からの挿入が困難な場合があります。

【最後に】

今回は、経鼻内視鏡の概要をまとめました。
ファイバーやカメラも進歩し、以前よりも病気の検査での患者側の負担を減らせるようになりました。その結果、がんなどの病気の早期発見にもつながっています。
しかし、ファイバースコープをはじめとした医療機器はとても精密なので、破損などのトラブルも起きやすくなっています。
取り扱いには充分注意し、医療機器専門の保険にも入っておくと安心です。

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