診察室血圧と家庭血圧の特徴
【はじめに】
血圧測定は、会社の健康診断や持病の定期検査にも含まれていることが多く、体調を把握するための手がかりとなります。
測定で使われる血圧計は、医療機器の知識がない人でも扱えるようになっているため、検査の待ち時間に患者が自分で測ることができます。
また、家庭用の血圧計も販売されており、健康管理の一環で日常的に測る人も少なくありません。
しかし高血圧の基準値は病院と家庭で少し異なります。
今回は血圧の基準値についてみていきたいと思います。
【診察室血圧と家庭血圧】
血圧は、収縮期血圧(最高血圧)と拡張期血圧(最低血圧)の数値を見て、高血圧かどうかを判断します。一般的には最高血圧を「上」、最低血圧を「下」と言います。
血圧の基準値は、日本高血圧学会により決められています。
今のところは日本独自の高血圧の基準値が設定されているのですが、専門家の間では、2019年の高血圧治療ガイドラインの改定時に高血圧の基準値を米国に合わせるかどうかが検討されているようです。(2018年5月時点の情報)
また、血圧の基準値には血圧を測る環境に合わせて「診察室血圧」「家庭血圧」「自由行動下血圧」の三種類があります。
今回は、「診察室血圧」と「家庭血圧」について見ていきたいと思います。
・診察室血圧
診察室血圧は、病院で血圧を測る際に用いられる基準値です。
診察室血圧の高血圧基準値は、最高血圧140以上、最低血圧90以上となっています。
高血圧により引き起こされやすくなるさまざまな病気を予防するため、「Ⅰ度高血圧」、「Ⅱ度高血圧」、「Ⅲ度高血圧」、「(孤立性)収縮期高血圧」(収縮期血圧だけが高くなる状態)に分けられています。
また、腎疾患・糖尿病・メタボリックシンドロームなどの持病がある場合は、Ⅰ度高血圧に満たない数値でも「至適血圧」「正常値高血圧」「正常血圧」に分類されます。もともとこれらの持病があると、将来合併症や高血圧などのリスクが高くなります。それらを予防するためにこのような基準が設けられています。
・家庭血圧
家庭血圧は、家庭で血圧を測る場合の基準値です。
高血圧の基準値は最高血圧135以上、最低血圧85以上となっています。
健康管理や生活習慣病の治療の一環で、家庭用の血圧計を利用している人も増えました。
一般的に、家庭で血圧を測る時は病院で測る時よりも緊張が少なく、低めの数値が出るため、それに合わせてこのような基準が設定されています。
家庭血圧は、健康管理や受診の時に参考になります。しかし、「まだ基準値に満たないから大丈夫」と自己判断せず、数値が高血圧基準値に近い場合や気になる症状が出ている場合は、病院を受診する必要があります。
【最後に】
今回は、血圧の基準値のうち診察室血圧と家庭血圧についてまとめました。
血圧は環境によっても多少ずれが生じるため、診察室と家庭で高血圧の基準が異なっています。
中でも診察室血圧は細かい分類が決められています。
血圧はそれだけ私達の健康のバロメーターとしての役割を果たしているということですね。