心電図を取ったら低電位、電位差が低いと言われたけど大丈夫?

【はじめに】
心電図の波形には様々な種類がありますが、特にQRS波と呼ばれる波形の振幅が大きいことを「高電位」、小さいことを「低電位」と呼んでいます。
「低電位」と言っても必ずしも異常があるとは限りませんが、場合によっては「浮腫」などの可能性もあり注意が必要なケースもあります。
今回、心電図を見るうえでの所見となる障害疾患等の種類についてまとめてみました。
【電位差の低い状態は異常か?】
心電図の波の高さが大きい状態を「高電位」と呼び、心臓の位置の異常や心臓の肥大化が考えられる一方で波の高さが小さい状態を「低電位」と呼んでいます。低電位となるパターンとしては心臓そもそもの電気的興奮が弱いか皮膚の表面に電気的信号が伝わりにくいことが起因していると考えられます。
心臓に異常が見つからない場合にも「低電位」状態になることはありますが、このケースでよくある病態としては心筋梗塞などで収縮力が弱ったときや肺に含まれる空気が増大したとき、もしくは体内に水が溜まっているとき、肥満時などが該当します。
【低電位以外のその他の所見】
ここでは不整脈、虚血性心疾患、伝達障害の主な所見についてお伝えしてみたいと思います。
・不整脈
洞性不整脈:心拍数が不安定で速くなったり遅くなったりしている状態のことを言います。
房室ブロック:心臓内の電気信号が途絶えたり遅くなったりする症状のことを言います。
程度によってはペースメーカーなどでの対応が必要になってきます。
心房細動:心房部分が無秩序に興奮を起こしてしまうことを言います。頻繁に起こる場合には血栓ができてしまうので治療が必要になります。
・虚血性心疾患
心筋梗塞:冠動脈の閉塞によって心筋が壊死してしまう状態のことを言います。
状態に応じて適切な処置が必須になります。
・伝達障害
右軸偏位:心臓の電気の流れが右側に偏ってしまった状態のことを言います。若年者や痩せている方に多く見られます。
左軸偏位:心臓の電気の流れが左側に偏ってしまった状態のことを言います。高齢者や妊婦、肥満の方、高血圧の方に多く見られます。
【まとめ】
いかがでしたか?電位差の低い状態、つまり心電図が低電位状態だからと言って必ずしも「病気」ということではありません。しかし、この状態が長く続いたりした場合には先ほど述べたように肺や体内に異常がみられるケースもありますので注意しましょう。
また心臓の不整脈などには今回紹介できなかった内容のものも多く存在しています。
一つ参考にされてください。ありがとうございました。