心電図の3点誘導とは?

診断用機器

【はじめに】
心電図は、心臓の動きを知るために読み取る機器です。心臓の内部の電気運動を波型に表示します。
あまり聞きなれない言葉ですが3点誘導とは、心電図の測り方のこと。
今回は3点誘導をどういうふうにして行うかなどを説明したいと思います。

【モニター心電図と12誘導心電図】

・モニター心電図
患者さんの体の3か所に電極をつけるとすぐに心電図画像を見ることができます。心臓の病気などで入院中の患者さんの心電図を、一気にナースステーションで見ることができます。3点誘導はこの心電図で使う方法です。
「アイントーベンの三角形」という原理があります。
この原理を利用し、患者さん体の3か所に電極を取り付けると3通りの双極誘導心電図を調べることができます。このとき1つの電極はマイナスの電極とプラスの電極の役割を果たしています。
そうすると三角形の状態の中心に架空の不関電極と呼ばれる電極ができます。この不関電極を基準点とし実際に取り付けてある電極と単極誘導法と呼ばれる方法で単極誘導心電図を調べることができます。
この3通りの双極誘導心電図と3通りの単極誘導心電図で合わせて6つの誘導心電図を調べることができます。

・12誘導心電図
一方、12誘導心電図は胸部と四肢の心電図を合わせ、もっと多くの電極をつけて測る方法になります。
患者さんの体の10か所に電極をつけ、12か所から心臓を観察します。医師が心臓の病気を診断するときなどに行います。しかしつける電極の数が多く、観察には患者さんが長い時間安静にしないといけないため、モニター心電図のように連続して行うことには不向きです。

【3点誘導の測り方】

シールになった電極にリードの先端をホックやクリップで固定をします。リードの先端は赤、黄、緑(または赤、黄、黒)です。
赤を上胸部の右鎖骨下、黄を左鎖骨下、緑を側胸部の左肋骨の下あたりに装着します。鎖骨の部分は筋肉の量が少なめで、筋肉の影響によるノイズが少ないです。肋骨の部分は体が動いても(体動)、影響が少ないところです。
25mm/秒の波形が流れモニターで観察します。

12誘導心電図のように詳しく心臓の状態を観察するのは難しいですが、24時間観察ができるため、心拍数や不整脈を見ることができます。また最近では心電図とともに血圧、酸素飽和度も同時に測り患者さんの状態を観察することができます。

【まとめ】

少し難しい話になってしまいましたが、3点誘導は比較的簡単に24時間常に観察できるという利点があります。12誘導心電図は医師が主に見ますが、いつも医師がついているわけにもいきません。看護師さん達が観察できる3点誘導で心電図を観察することも、とても大事なことなのです。

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