CT装置の基礎知識

診断用機器

【はじめに】
レントゲンは二次元の情報を得ることができますが、立体的な三次元の情報を得ることはできません。そこで、立体的な構造を知るためにコンピューター処理によって三次元の情報を得ることを実現したのがCTスキャンになります。
今回はこのCTスキャンに関する基礎的な話をしていきます。

【CT装置を構成する部品】

CT装置は主に3つの部品で構成されています。
ガントリはCT装置の大きな輪になっている部分になります。その内部はX線を発生させる管球と透過X線を受ける検出器で成り立っています。
クレードルは患者さんが寝るための寝台のことを指します。
そしてコンソールはCT装置を操作するためのコンピューター部分になります。

【CTスキャンの流れ】

では、CTスキャンする流れをみていきましょう。
まず最初にガントリ内にある管球によってX線が生み出されます。管球の中には陽極と陰極があり、管球に電流を流すことで熱電子が陰極にあるタングステンフィラメントから放たれます。そして、集束カップでこの放出された熱電子を集束して管電圧で加速し、陽極側のターゲットマテリアルに加速した熱電子をぶつけることでX線が生まれます。
次にX線を検出します。X線の検出は検出器によって行われます。検出器には半導体素子が用いられ、透過像を一度の撮影で数百から数千枚得る必要があります。
最後に画像の再構成をします。三次元情報を直接得ることができないので計算による画像の再構成となります。CTスキャンの三次元情報はコンピュータが計算し処理することで構築されます。三次元情報を計算するために管球と検出器を360度回転させ、必要な数値を得ています。

【検出器が複数列あるのはどういうことか】

最近のCT装置は検出器が多列化されているのが主流になっています。
そのため複数ある検出器の素子が並んでいる状況をイメージすると思いますが、それは微妙に違います。
例えば、6列の検出器があるCT装置なら、一度に収集できる情報は6つまでとなります。この情報を収集する場所をデータ収集機構と呼び、収集した情報をコンソールへと流します。
つまり、検出器が多列化されているCT装置というのは、データ収集機構が備えらえている列分の情報収集ができることを示し、それ以上の情報収集はできないことになります。

【まとめ】

CT装置の性能や特性は各医療メーカーによってさまざまです。自らの医院に適しているCT装置はどれなのか、よく検討のうえ導入を考えましょう。

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