高血圧診断、正常値でも油断できない場合があるって本当?
日本人の3分の1が高血圧(高血圧症)であるとも言われています。高血圧だからといって、すぐ命にかかわるものではないですが心筋梗塞や脳卒中を引き起こす要因となります。それが起これば寝たきりや最悪の場合死亡することもあります。
また、日本高血圧学会によってガイドラインが2014年に変わったことをご存知でしょうか。今回はそこで変わった内容を説明したいと思います。
【高血圧治療ガイドライン】
2014年の4月に日本高血圧学会認定よって5年ぶりに改訂された「高血圧治療ガイドライン」が発表されました。そこではこれからの高血圧の診療方針が書かれており、新しくなっているところもあります。
【変更点は?】
◎高血圧かどうかの診断基準は「病院」と「自宅」の2か所に
・病院(診察室)での診断基準
最高血圧(収縮期血圧)…140mmHg以上
最低血圧(拡張期血圧)…90mmHg以上
・自宅での診断基準
最高血圧(収縮期血圧)…135mmHg以上
最低血圧(拡張期血圧)…85mmHg以上
病院の測定でまず高血圧の値が出た場合、自宅でも測定をします。
・起床後、就寝前2回ずつ測定する
・それらの平均の値を出す
そこで値が自宅での診断基準を超えていた場合、高血圧と診断されます。
起床後は起きて1時間以内に排尿後で朝食や薬を取る前に測ります。就寝前は寝る前に測りますが、夕食後・入浴後・飲酒後を避けます。
ただし、数字的には基準を下回っていても低い順から「至適血圧」「正常血圧」「正常高値血圧」に分けられ、正常高値血圧はいわば高血圧予備軍であるため、生活の改善を促すアドバイスを受けるでしょう。
◎「夜間血圧」に注目
血圧は1日の間で変化があります。普通は起床後、昼間に向かって上がり、夜になると下がります。しかし夜でも血圧が下がらない場合や、夜に血圧が上がる、という「夜間血圧」が高い人がいます。
このタイプの人は心筋梗塞、脳梗塞などのリスクが高く、血圧が正常値の人に比べると臓器障害である可能性が高い、などのことがわかってきました。
また、夜間血圧が高い人は睡眠時無呼吸症候群の可能性もあるといわれています。
日常で何かストレスを抱えている人に夜間血圧が高くなる傾向があるようです。しかし今までは昼間の病院でしか血圧を測らなかったため、昼間正常値であっても夜になると高くなる人は今まで分かりにくかったのです。そのため、夜間の血圧も注目されるようになりました。
【まとめ】
高血圧は、治療や食生活など生活習慣を見直すことで改善することができます。
最近は生活習慣の変化で30代でも高血圧と診断される人が増えてきました。まさに国民病のようになってしまっていますが、技術の進歩によって多様で手軽な血圧計が開発され、個人でも気軽に測定をする事ができる様になりました。今、血圧が正常値であっても健康なうちから測定をする習慣をつけ、予防することも大切なことです。