脳波計について知ろう

診断用機器

【はじめに】
脳波とは脳の神経細胞が発する電気刺激を捉えて波形にしたものです。その増幅幅を記録する装置が脳波計です。
1875年、イギリスのケルトンによる報告によって脳波が発見されました。このときは動物から脳の電気活動を報告しました。
人間の脳の電気活動を記録したのは1924年でドイツの精神科医ハンス・ベルガーによるものです。そのあと彼は1929年にこのことについて論文を発表しましたが、最初はその内容について信用はされませんでした。
その後、1933年イギリスのエイドリアンらの追試試験によってその存在が証明されました。
1930年から1935年の間に各国の技術者によって脳波計が開発され、時代の変遷を経て現在の標準的な形にたどり着きました。

【脳波計でわかること】

脳波計で脳波を読み取ることでわかることは以下のようなものになります。
・てんかん
・脳腫瘍
・脳血管障害
・認知症など

脳波計は上にあげた状態を診断するための補助診断機器として広く利用されています。それ以外にも脳死判定の補助や睡眠とき無呼吸症候群の診断に最近は用いられています。
脳波計は感度が高く外部からの影響を受けやすいので、脳波を測定するにも専用の部屋が必要になります。
脳波は周波数によってα波、β波、θ波、δ波の4種類に分けられます。
目を閉じて落ち着いた状態ではα波が、目を開いているときや計算をしているときはβ波が波形となってよく現れます。
この脳波は内的要因、外的要因によってさまざまな形に変化します。脳が病気の影響を受けている場合は特徴的な波形が現れるので、てんかんなどの診断に役立っています。

【脳波を知るには】

脳波計で脳波を測定するには、まず頭に20個ほどの電極を取り付けます。そのあとベッドに横になり部屋を暗くして目を閉じます。この状態で安静時脳波を測定します。
その後、さまざまな状態の脳波を測定します。脳波の検査には約1時間ほどの時間を要します。
脳波の測定では睡眠、光の刺激を受ける、過呼吸をするなどの状態で脳波に異常がないかを検査します。
てんかんのときのように異常が示されている脳波を「異常脳波」といい、脳炎や脳腫瘍、意識障害など脳に与える影響によって異常の現れ方が微妙に異なります。

【まとめ】

脳波計は病気を治療するような機器ではありません。しかし、てんかんをはじめとした脳の機能に影響を及ぼす病気の診断をするのに欠かせない補助診断機器になります。
決して表立って活躍するような機器ではありませんが、脳の異常を捉える頼もしい機器です。

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