よく聞く「X線」と「レントゲン」
【はじめに】
最近は、スマートフォンをはじめとした通信機器や家電など身近にある機器の進歩のスピードがとても速くなっています。それとともに様々な用語が世間に広まっていきます。そんな中で「ソフトウェア」や「アプリ」のように実は同じものを指している言葉がいくつかあります。こういったことは医療に関する言葉にも存在します。特にそれが顕著なのが「X線」です。そこで今回はそのことについて触れつつ、X線を利用した装置について話をしていきたいと思います。
【レントゲンとX線は同じ?】
X線は放射線の中の一つです。そして、X線を発見したのがドイツの物理学者「レントゲン」です。ですから、これに敬意を表してX線を「レントゲン線」と呼んでいました。そのためか、世間では今まだに骨折したときに撮影する画像を「レントゲン写真」といったり、撮影することを「レントゲンを撮る」といったりします。しかし、現在では「X線写真」「X線撮影」という言葉の使用が主流になっています。また、X線写真を撮影する人は「レントゲン技師」ではなく「診療放射線技師」と呼びます。
このように使用される言葉が変わってきているので、以前の呼称で慣れ親しんでいる人にとっては混乱する要因になっているのかもしれません。
【X線を利用した診断装置】
言葉の使い方が分かったところで、次はX線を利用した代表的な装置を紹介しておきましょう。それは「CT装置」です。「CTスキャン」という言葉を聞いたことはないですか?それをX線とコンピューターを使って行うのがCT装置です。CTスキャンは体の断面を輪切りにした状態を見ることができます。体の内部構造を細かく調べることができ、その中の異変を診断することに役立ちます。撮影された画像では、骨は白く写ります。これは骨がX線を透過しにくいからです。逆にX線が透過しやすい空気などは黒く写り、中間にあたる内臓や筋肉は灰色になります。このように単純な撮影だけでも細かなことが分かるのですが、より詳しく調べる必要がある場合などは造影剤を使用することもあります。
【まとめ】
CT装置の画像診断以外にもX線はマンモグラフィ検査や胸部X線検査など様々な検査で利用されています。そのため医療機器メーカーも検査の目的や規模、部屋の大きさに合わせたX線の撮影システムを提供しています。ですから、どのようなラインナップがあるのか確認してみて、もし必要なものがあれば取り入れてみてはいかがでしょうか。